0520
美しいこと
事務所の打ち合わせスペースで使用しているアンプは、型も古い上に、昔イベントをやっていたときに雑に扱われた為、ノイズだらけで音量も安定せず、どうにかかろうじて音を出しているような状態。受信状態の悪いラジオのような音質が懐かしく、なんだか憎めないやつ。
再生が危なっかしくって集中して聴けないのだけれど、レコード聴けるのはここしかないため、今なお現役で使用している。
殆どがノイズまみれの音量グラグラ。でも、ふと一瞬、それは5秒とか10秒とかなのだけれど、とても美しい音で音楽を奏でる。もともとマイナスの音質が、普通の音質、ゼロになっただけなのだけれど、ずっとノイズに塗れていた分、なんだかものすごく高音質に聴こえてしまう。(机回りで使用しているスピーカーの、光出力で安定した綺麗な音よりはるかに!)
その奇跡的なゼロを期待して、相変わらずボロアンプを愛でてしまうのはマゾっ気なのだろうか。偶然とか、あいまいとか、勘とか、ブレのあるものの方が圧倒的に好き。それはダメなものが好きと言うことでなく、要するに「人間味」が好きなのだ。