0410

浅草の夜

懐かしい人と浅草で呑む。
 
久しぶりの再会を前に、高鳴る鼓動に勿体をつけるように、上野から徒歩で向かう。
稲荷町、合羽橋、田原町、と歩きながら、初めて会った時のことなどを思い出したり。
 
日の沈みかけた煮込み横町の軒先で再会の杯を酌み交わす。
吃驚するくらい変わってなくって、昔と同じく、楽しくって仕方ない時間。
 
カウンターに移り、すっかり日も暮れてからも更に呑んだくれ、「昔に戻ったみたい」ではなく、「今なお昔と何も変わっていないんだ」と確認して胸が熱くなる。
 
店を出てフラフラゲラゲラと浅草の街を散歩。
うん、この空気。今なお何も変わらない、この空気。
 
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この日燗にして呑んだ神亀は、今まで呑んだ中で一番美味かった。酒の美味さとは、銘柄・温度だけでなく、呑む相手やシチュエーションによって幾重にも広がっていく、という話。
 
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