0929
時はかげろう
松尾たいこさんの個展「紫野行き標野行き」へ。
仕事が少しバタバタしていたのだけど、得れる刺激に比べれば、多少自分のスケジュールがしんどくなるくらいは全然オッケー。
松尾たいこさんについては説明不要だと思うのだけれど、今回の個展は「小学館の日本の古典をよむ全20巻の完結を記念して企画」とのことで、その装画20点を中心に構成されていた。
装画の原画と、実際にそれを装幀に使用した本が両方置いてあって、自分の中で「原画だったらこれが一番好き」、「装幀だったらこれが一番好き」っていうのが異なっていたりして、興味深かった。
また、各作品にはどういったプロセスで生まれたかがちょこっとだけ書かれていて、(自分も装幀の仕事をやる機会もあるためそういった意味でも)大変為になった。
どの作品もため息が出てしまうほどの素晴らしさで、「きれい」とか「可愛い」とか「おしゃれ」とか、そういうカテゴリーのどれもはみ出してしまう不思議な魅力。デフォルメが上手い、とか色感がいい、とかじゃなく、魅力的である、という凄さ。一枚一枚野心のような試みに溢れていて、且つ、気持ちいいくらいにいさぎよい。
ご本人いらっしゃったので、色々質問したい衝動に駆られたのだけど、仕事の合間であまり時間がなかったこともあり、会釈して出て来てしまった。折角なので挨拶くらいすれば良かったなあ、と後悔。