0912

想像力より高く

130912 / days / permalink

ワタリウム美術館での幾原さんとシーザーさんのトークショーへ。
展示自体は一昨日ゆっくりと観ていたので、この日は純粋にトークを聴きに。
 
テーマは「革命になる音楽」。
お話は天井桟敷時代のシーザーさんの音作りや、ウテナ劇伴に起用された経緯、その反響など。
個人的には寺山さんと一緒に作っていたシーザーさんと、それに憧れた幾原さん。という具合でそれぞれの視点での寺山像が面白かった。
自分自身は、そんなお二人に憧れてから、余計に。
  
寺山修司が死んだとき自分は幼稚園児だったので、テラヤマ体験は無い。
そういうのを意識し始めた時は芥川龍之介や中原中也同様に、教科書的な過去の作家だった。
野田秀樹や鴻上尚史を知って、芝居に傾倒していくにつれ、目の上のたんこぶのようにその名前をよく耳にした。
著書を読み、映画を見て、そしてJ.A.シーザーを知り、万有引力の芝居に足を運んでみたりした。
ウテナを知りったのもその影響で、その縁でピングドラムに参加出来たのだから間接的ながら影響はとても大きい。
 
寺山修司に対する興味は、またはその熱狂の時代は自分にとって経験しなかった故の憧れ、ということが動機としては大きい。
はるか昔の写真や記録にドキドキするような。
だけど知れば知るほど僕を魅了したのはその言葉たちだった。
挑発的で、切れ味鋭く、いつ読んでも(聞いても)謎に満ちた、なのに魅惑的な言葉たち。
装置としての舞台、事件としての舞台、など他の追随を許さない活動。だけどそれらを煽動し全てを巻き込めたのはやはり、その魅惑的な言葉がカギになったのかな?なんて。
 
そういう想像力を勝手に働かせたりするのも好きだったり。
 
だから当時一緒に制作していたシーザーさんや、その目で見ていた幾原さんの話を直接聞ける事は、とても貴重で、自分と記録の向こうの偉人を繋いでくれてとても嬉しい。
教科書的な過去の作家ではない、扇動者としての、当事者としての、実行犯としての、そして、人間としての寺山修司を甦らせてくれる。言葉や表現がいつまでも魅惑的に見えるその謎を、少しだけ種明かししてくれるような。
(シーザーさんや幾原さんの影響もプラスされている)その血肉が、今の自分に流れている事も嬉しいし誇らしい。
 
幾原さんと仕事していると同時代に生きててよかった!一緒に仕事出来てよかった!ということをよく思うのだけど、やはり、寺山さんや、幾ら好きでも他界してしまった作家さんとは一緒にやりたくても出来ないから、そういう想いもあるのかもしれない。
 
今度はシーザーさんのお仕事にも、デザインで貢献したいな。
こういうの夢見たり、言う分にはタダだしね。
 
タイトルは好きな言葉「どんな鳥も想像力より高く飛ぶことはできない」から。

0519

デザフェスの日

130519 / days / permalink

スタジオパブロさんのブースにカレンダーを置かせてもらっている、ということもあり、デザインフェスタに行ってきました。
 
委託していたカレンダーが一日目で売り切れてしまったため、増産し、開場とともに搬入したのですが、開場前から多くの人で溢れ、大変な熱気でした。
 
生背景原画は作品のファンならずとも圧巻の見応え。熱を帯びた筆跡、絵の具の発色など、画面の中での素敵な空間が一枚一枚人間の手によって書かれている、というのがよくわかり、改めてその技量や熱量に感激してしまう。
 
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メイキング画像のスライドも流していたのですが、プロのメイキングはひとつのショーです。
無駄がなく、みるみるうちに(ダイジェストなので当然ですが)完成して行く様はうっとりし。
 
置いていただいた描き文字カレンダー。
 
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このパブロのオリジナルキャラ、「パブロ君」の人形は、ピングドラムのペンギンやウテナのチュチュやアンシーのドレスを製作された なすかさん作。
(次男誕生の際はバクのぬいぐるみも作ってくれました。←自慢)
ちゃんと頭巾が取れて、取った姿も凄く可愛いです。
 
さらにこのパブロ君が持っているもの、カレンダーが飾られているフレームは、スタジオパブロの開発した「おくれ〜る」という商品です。デザフェスで初公開、ということでWebもそこに合わせて公開されています。ストアで販売もしています。
 
急にお仕事話ですが、このおくれ〜るのロゴ、パッケージ、Webなどもろもろデザインを担当させていただいています。急遽、どうせならアレもコレも…という感じで駆け足で作ったのですが、どうにかデザフェスに間に合いました。
撮影はいつもお世話になっている宮地さんにお願いしました。
 
その他、パブロスタッフや、関わりの深い方の描かれたポストカードも販売されていて、いずれも素敵なものばかり。
このポストカードたちも、データの色補正や印刷ディレクションを担当したのですが、そんな事すっかり忘れて、欲しいものを手に取って買い物を楽しんでしまいました。
 
レシートも凝ってる!

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実はデザインフェスタに足を運んだのは初めてでした。キラリと光るものを見つけたり、若い作家さんを見て、野心に満ちていた頃を思い出したり、良い機会になりました。

ピングドラムファンの方も随分といらっしゃったようで(自分も話しかけてもらったりしました)、そう言う意味でも良い機会でした。
パブロさんがまだまだ出す気なら、次も関わりたいなぁ…(期待してますよ)。

0517

デザインフェスタへ

130517 / information / permalink

デザインフェスタ vol.37の「スタジオパブロ」のブースにて「描き文字カレンダー」の特別バージョンを少数ですが販売します。

5月18日、19日両日ともの出展で、ブースNO.『 B-286 』です。
 
スタジオパブロさんは『輪るピングドラム』の美術監督の一人である秋山さんが率いる背景美術の会社です。
最近だと『戦国コレクション』、現在放送中の『惡の華』など、いずれも美術が力を発揮している作品を手がけています。私のスタジオパブロに対する思い入れ、というか愛!はこの時封入する予定の豆鳩通信(デザフェス特別号)に書きます!
 
出品する描き文字カレンダーは5月始まりの2014年4月終わり、カラーリングも特別仕様にして、おまけもいつもは出さない様なものを付ける予定です。
 
ちなみにパブロブース、ピングドラム・戦国コレクション・惡の華の実際に使用された背景(必見です!結構ビビりますよ)の展示だけでなく、ポストカードサイズの原画が買えたり、オリジナルのポストカードが買えたり、メイキングが見れたり、と盛り沢山で必見です。
 
先日名刺などを作らせてもらったピングドラムのもう一人の美術監督、中村千恵子さんのポストカードも置いてあるので、こちらもピングファンは必見。(`・⊝・´)

0418

聖誕祭

130418 / days / permalink

公私ともに大変にお世話になっている辻田さんのトークイベント「第71回アニメスタイルイベント 生誕50年記念! 色彩設計おぼえがきSPECIAL」へ。

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内容はセル時代からデジタルへのアニメ制作における色彩設計について。ということで、一般にあまり知られていない製作の裏側と、その中での色彩設計の役割など。
 
辻田さんは明瞭で簡潔で話が分かり易いので、若干マニアックな話に寄っても楽しく理解出来ました。また、色彩設計の話をしてはいるのだけど、自分としては職業的にすごく共感出来る部分もあって、自分の仕事のことを見つめ直す良い機会にも。
表現者の意図を汲んで伝え易く自分の持ち場で演出していく様子は、普段私がデザインで取り組んでいる事と同じなので。
 
今回、イベント用に勝手にパロディロゴを作らせてもらいました。
 
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キービジュアル追崎さんのイラスト。ちゃっかり作成したマークも隅っこに入れさせてもらってます。
 
折角マーク作ったので、シルクスクリーンでTシャツに刷って贈ったところ、しっかり着て登壇して下さいました。
辻田さんありがとう!二枚贈ったのですが、一枚は二部ゲストのみつえ監督が着て登場しました!
*みつえさんはこれまたピングドラムでご一緒して、その後も少し仕事で一緒させてもらったり、という関係ですが、相変わらずの高テンションで会場を凄く盛り上げていました。
 
会場では辻田さんの奥様や、西位さんや追崎さん、古橋さんなど、沢山の方とご一緒出来て、非常に楽しい素敵な夜でした。
改めて辻田さん生誕50年、おめでとうございます。
これからも人生の先輩として、尊敬出来るプロフェッショナルとして、そして何より呑み仲間としてよろしくお願いします。
最後に辻田さんとみつえさんと一緒にパチリ。
 
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0323

ガウガウ

130323 / days / permalink

ウテナ展、幾原さんのトークショーへ。
トークショーでは「例の映像」を流すということで、仕上がり(最終的なものはその場で初めて観ました)やそのリアクションが気になってトークショーどころではなかったり。
 
中身についてはも少ししらばっくれ続けるとして、トークショー後に西武ギャラリーのウテナ展をスタッフだけで特別に見せてもらいました。
一般客ですでに観てはいたのですが、幾原さんや辻田さんという当時のウテナスタッフと一緒に見るのはとても不思議な感じで感慨深かったです。
 
また、ピングドラムスタッフも数人いたのでそのあたりも何だか不思議で面白かったです。
辻田さんがブログに「15年前の自分と2年前の自分がぴったりと向かい合わせでひとつの空間にある」と不思議がっていらっしゃいましたが、自分としては「観客席で観てた作品と、実際フィールドで一緒に作った作品がひとつの空間にある」ことが不思議でした。
 
そろそろピングドラムちゃんと見返そうかな?
BD作業でだいぶ観たのだけど、今ならお客さんとして観れそうだし、その方が良さが分かったりするだろうしね。
 
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画像は、昼間に家族で花見した石神井川。

0306

カーテンコール

130306 / days / permalink

夜光星ディスコルームを観劇させていただきました。
 
昔の芝居仲間でもあり、今の仕事仲間(?)というかウェブ担当させてもらっている舞山さんと、ピングドラムでご一緒した声優の小泉さんが共演!という嬉しい舞台でした。
 
全然別のタイミングや切欠で知り合った二人が共演しているのは何だか不思議でしたが、そんなの関係なく久しぶりの舞台、とても楽しく観れました。
 
昔はちょっとイイ舞台観ると、メラメラしていたけど、最近はさすがにそういうことは無くなってきた。芝居への未練や執着がなくなった代わりに、宣伝美術やりたい!とか、そっちの欲が出てきた様な。
 
もともとデザインすることを初めて意識した、というかデザインする楽しさを最初に味わったのは、17の時で、友人が作った劇団のチラシ作成だった。そう言う意味では「宣伝美術」は自分の原点だったりもしたりして。

0301

COCOLO

130301 / work / permalink

「スタジオ心」のロゴデザイン、名刺デザインを担当しました。
 
cocolo1
 
スタジオ心はピングドラムでご一緒した美術監督の中村千恵子さんとご主人の中村豪希さん(こちらも有名な美術監督さんです)の立ち上げたアニメーションの背景美術の会社です。
 
打ち合わせもいつもご夫婦一緒ですごく楽しく、「心」の文字のエレメントに反映されています。
もちろん、右の2つの円に込めています。
 
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※名刺の住所や番号はでたらめです。
 
さらにこの名刺、裏のイメージの模様が、ご夫妻とも一見同じに見えるのですが微妙に異なっていて、並べると繋がるようになっています。夫婦の名刺を並べると一枚の模様になるという仕様です。
 
いつまでも寄り添いつつ、高め合って、これからも素敵な作品沢山みせてください!
 
ちなみにこの裏側の模様は、描き下ろしてもらったわけでなく、実際にアニメに使われたBGから素材を抽出しています。これだけで「ああ、あそこか!」と分かる人はいないだろうけど、ペンギンのあのアニメのあのシーンです。